富永篤先生(琉球大学)の共著論文がNature誌に掲載されました

 2023 年10 月、富永篤先生(琉球大学 教授) の共著論文が『Nature』に掲載されました。繁殖と成長を水環境に依存する両生類の減少は、水共生学が取り組むべき課題を示唆する内容と言えます。

Luedtke, J. A., Chanson, J., Neam, K., Hobin, L., Maciel, A. O., Catenazzi, A., Borzée, A., Hamidy, A., Aowphol, A., Jean, Á., Sosa-Bartuano, A., Fong, G. A., de Silva, A., Fouquet, A., Angulo, A., Kidov, A. A., Muñoz Saravia, A., Diesmos, A. C., Tominaga, A., … Stuart, S. N. 2023. Ongoing declines for the world’ s amphibians in the face of emerging threats. Nature, 622, 308–314. https://doi.org/10.1038/s41586-023-06578-4

 国際自然保護連合(IUCN) のレッドリスト掲載種の評価を分析した結果、両生類の継続的な減少傾向が続いていることを示す論文が、Nature 誌に掲載されました。

 この研究では、レッドリスト掲載種の第1回調査から第2回調査の間のランクの変化程度などをもとに Red ListIndex (RLI) という指標を計算して評価、分類群間の比較をしています。世界的にみると、両生類の継続的な減少が続いており、脊椎動物の中で最も絶滅危惧種の割合が多い(約4 割) ことが示されました。2004 年までは感染症などの病気が主たる減少要因だったのに対し、その後の約20 年では、気候変動による影響が最も大きく、次いで生息地の破壊が主たる減少の要因になっていたことも明らかにされました。一方、日本では、生息地の破壊が減少の主たる要因のようです。

沖縄島北部(やんばる) だけに分布する沖縄県指定天然記念物で国内希少野生動植物種のオキナワイシカワガエル
国内希少野生動植物種のアベサンショウウオ
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